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村上春樹「国境の南、太陽の西」再読

 定期的に春樹の文章を自然と求めてしまう。個人的に春樹作品で好きなのは「風の歌を聴け」の世界の一連の作品、特に「ダンス・ダンス・ダンス」のようなリズムが感じられる作品で、春樹を読みたくなるときは大抵これらの再読なんだけども今回のはなぜか「国境の南、太陽の西」だった。

 再読後の感想として、やはり「ダンス・ダンス・ダンス」の世界観が1番自分の憧れをかき立てるという意味(?)で1番好きな作品だなと感じるのと同時に、今現在自分が春樹を求めるときに欲していたのは「国境の南、太陽の西」だったんだと感じた。「自分」という可能性に支配されることでしか生きることはできない、そして生きているのは砂漠だけ、島本さんの「死」の幻想。これらが、自分が生きる上での軸にしている生への肯定と同一線上にあるように感じた、それだけの話。

 

 恐ろしくどうでもいいんだけどもナットキングコールは個人的に特別な歌手で、それは春樹の影響とかではなく多分槇原敬之(昔好きだった)が雑誌のインタビューか何かでルーツとして挙げていたことがきっかけのはずなんだけど、今回の再読でナットキングコールの存在感が記憶よりずっとすごく大きくてなんだか不思議なかんじだ。でも同じ雑誌で槇原が好きな本にW.サローヤンとかと並べて春樹を挙げていたからやっぱり(?)同じ線上にいる人種なのかもしれない。

 

 ちなみにナットキングコールは「アフター・ミッドナイト」も文句のつけようがない名盤だけどやっぱり「メリー・クリスマス」が歌手としてどうしようもなく特別な感があるね、deck the hallsをサラッと自然に歌うのって実はこの人以外に不可能なんじゃないか。

 

 

国境の南、太陽の西 (講談社文庫)

国境の南、太陽の西 (講談社文庫)

 

 

 

メリー・クリスマス

メリー・クリスマス